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<記事の情報は、2023年9月7日時点のものです>
ハウスメーカーは星の数ほど多く存在しますが、その中でも大手家電メーカーの子会社として独自の地位を築いているのがヤマダ・エスバイエルホームです。
前身となるエスバイエルは昭和26年創業と歴史の長いハウスメーカーであり、ヤマダ電機に吸収されてからは、デザインランキング4位に輝くなど業界の第一線で活躍。
知名度は大手ハウスメーカーからすると低いですが着実に実績を重ねてきているハウスメーカーです。
今回の記事では、ヤマダ・エスバイエルについて現役不動産営業マンの筆者が詳しく解説をしていきます。
ハウスメーカー選びで悩んでいる人は、ぜひ参考にしてみてください。
また、解説に入る前に家づくりを失敗させない為に、1番重要なことをお伝えさせて下さい。
マイホーム計画を立てる際に、まずはじめに絶対にしておくべきことがあります。
それははじめにお住いの地域に対応している、住宅メーカーからカタログを取り寄せてしまうこと。
家を建てようとする人が良くやってしまう失敗として、情報集めよりも先にモデルハウスや住宅展示場に足を運んでしまうことがあげられます。
「とりあえず行ってみよう!」と気軽に参加した住宅展示場で、自分の理想に近い(と思い込んでいる)家を見つけ、そのまま営業マンの勢いに流されて契約まで進んでしまう人も少なくありません。
もっと安くてもっと条件にあった住宅メーカーがあったかもしれないのに、モデルハウスを見たことで気持ちが高まってしまい、十分な比較・検討をせずに決めてしまう人は本当に多いです。
マイホームは人生の中でもっとも高い買い物であり、一生の付き合いになるわけですから、軽い気持ちで住宅メーカーを決めるのは絶対にやめましょう。
とはいえ、自力で0から住宅メーカーの情報や資料を集めるのは面倒ですし、そもそもどうやって情報収集すればいいのか分からない人も多いはず。
そこでおすすめしたいのが、東証一部上場企業のリクルートが運営する「SUUMO」の一括資料請求サービスです。
家を建てる予定のエリアや希望の条件を入力するだけで、簡単に条件にあったハウスメーカーや工務店がピックアップされまとめて資料請求できます。
何社から資料を取り寄せても無料ですし、少しでも気になった住宅メーカーからすべて資料を取り寄せておくことで、住宅メーカーごとの違いや特徴が次第に分かってきます。
最初は検討もしていなかったハウスメーカーや工務店の中から、予算や理想にぴったりの会社が見つかったという人はとても多いです。
偏見で住宅メーカーを絞り込まず、幅広い視野で情報を集めることで、結果として後悔しない納得のいくマイホームづくりが実現できます。
ぜひ参考にしてみてください。
それではここから、詳しく解説をしていきます。
ヤマダ・エスバイエルホームの評判
デザイン性が評価されているヤマダ・エスバイエルホームですが、一般の人からはどのようなイメージを持たれているのでしょうか。
そこでヤマダ・エスバイエルホームの評判を集めてみました。
<いい評判>
軽補修などのアフターサービスがいい
ヤマダ・エスバイエルホームはアフターサービスの質が評価されているようです。
初期保証の30年間の点検や診断は無料で行い、さらに最大70年まで有償ではありますが診断と点検を実施。
ここまで長い超長期保証を取り扱っているハウスメーカーは他にはなく、孫の代までも安心して任せることが出来ます。
さらにエアコンや給湯器などの住宅設備機器に関しては引渡から10年間は無料で修理を行ってくれるなど、壊れやすい機器に関してもアフターサービスを完備しているなど、手厚いサービスシステム。
専門のメンテナンスコールは24時間受付のため、夜間の緊急時にも対応してくれます。
打合せに回数制限がないので、とても融通が効いている
家を建てるにあたり、打合せというのは非常に重要な部分でしょう。
事前打合せはもちろんのこと、建設途中にイメージと違った、商品が思っていたのと違ったなどの不満点は出てくるもので、これに柔軟に対応してくれるかどうかはメーカーごとによって異なってきます。
ヤマダ・エスバイエルホームではその打合せ回数に制限がなく、いつでも相談、仕様変更に応じてくれる柔軟性を持っており、途中で致命的な個所でなければ構造変更や商品の変更に対応。
建主の要望も出来る範囲なら聞いてくれるようなので、分からない点や不満な点は相談すれば的確に対応してもらえます。
築20年以上経っても快適に過ごせる
築10年や20年以上経っても快適に過ごせているという口コミをよく見かけます。
特に太陽光の取り入れかたや、窓を開けた際の風の流れがよく、一年を通して快適に過ごせているといった口コミが多く、施行がいい証拠でしょう。
先述したアフターサービスに関しても、営業担当者が真摯に対応してくれるようで、「またここに頼みたい」と思う人も少なくありません。
担当者の相性というのは建築業界のみならず、大きな金額が動く不動産業界などでも非常に重要になってくるものです。
その点ヤマダ・エスバイエルホームの営業担当者は対応がいいことで知られており、その点が信頼におけると考える人もいるでしょう。
<悪い評判>
赤字続きだから倒産しないか心配
実はヤマダ・エスバイエルホームはここ数年赤字が続いています。
最新のデータでは2017年3月~8月の連結決算で約5億8,000万円の赤字。
前年同期が6億4,500万円の赤字、売上高は200億円と徐々にあがってきており、受注高も前年比125%と伸ばしているものの、展示場の建替えなどの先行投資による損益が影響したものとみられます。
2016年はかろうじてプラスに転じたものの、2015年が50億円もの赤字を出し、2017年も赤字になりかけている状況。
このような状態が続いており、消費者の中ではヤマダ・エスバイエルホームの倒産を心配視する声が少ながらずあります。
事実前身のエスバイエルが経営状況悪化のためヤマダ電機に買収されたこともあり、せっかく家を建てたのに倒産してしまったら困ると考える人がいても仕方のないことでしょう。
担当者によって対応が大きく異なる
担当者によって値引きや間取りに関しての対応などに差が出ているという口コミがあります。
正直な話、担当者によって対応が大きく変わってしまうのは、大手ハウスメーカー含め、ほぼすべてのメーカーに共有して言えることなので、特別ヤマダ・エスバイエルホームが酷いというわけではありません。
しかし、営業担当の対応に差が出るというのは社内教育が原因であるため、全ての支店で同レベルの担当者を育て上げるというのが企業の基本でしょう。
ハウスメーカーなど建築業界というのは万年人手不足と言われている業界であり、人の出入りが非常に激しくなっています。
そのため5年前に建てた際の担当者に連絡しようとしたら、既に辞めていた。といったケースが多々あるため、社内教育が行き届いていない人が対応してしまうことも。
もし、そうなった場合は面倒ですがその上の上司などと直接話してみると言った対応をしてみるなどといったことをするしかないでしょう。
冬が寒くて夏は暑い
ヤマダ・エスバイエルホームは壁内換気システムを採用しているからか、断熱材の厚みは平均的ですが、隙間を作るために断熱材を入れるスペースが減っており、気密性が少々悪くなっています。
そのため、空調機で部屋の温度をコントロールしても、空調機を止めれば外の外気の影響を受けて部屋の気温が変化。
熱をため込みにくい構造になっているというのが原因でしょう。
しかしこの辺りは住宅を建てる前のプランで断熱材の厚さの変更などが可能のはずなので、気になるなら担当者に聞いてみるのも手です。
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ヤマダ・エスバイエルホームの特徴
ここからは、ヤマダ・エスバイエルホームの特徴について紹介していきます。
主な特徴は以下の3つ。
- 独自のSxL構法による強固な耐震性
- 自然エネルギーによる換気で湿気防止
- ハウスメーカーでもトップクラスの高断熱・高気密
それぞれ解説していきましょう。
①独自のSxL構法による強固な耐震性
ヤマダ・エスバイエルホームのすごい点は、創業以来一つも倒壊した住宅がないということ。
当然、現在の方が耐震性能は高いですから、まずヤマダ・エスバイエルホームの住宅で耐震面で心配することはないでしょう。
日本の地震史の中でも、特に被害の大きかった阪神大震災・東日本大震災でさえ、全壊はおろか、半壊さえなかったというのですから驚きですね。
②自然エネルギーによる換気で湿気防止
ヤマダ・エスバイエルホームの家は木造住宅であり、木造が痛む最大の原因は湿気です。
ヤマダ・エスバイエルホームでは、「壁内換気システム」と呼ばれる湿気対策を導入しているので、木材の状態を正常に保つことができます。
また、本来住宅の間取りや立地の状況によって、住宅ごとに結露の発生する確率は変わってきます。
ヤマダ・エスバイエルホームは、家ごとにカスタマイズして、結露がでるリスクを減らすための対策を行っているので安心です。
③ハウスメーカーでもトップクラスの高断熱・高気密
ヤマダ・エスバイエルホームは、断熱性・気密性にも定評があります。
高断熱・高気密であるがゆえに、室内の空調等に使うエネルギーを節約できます。
また、浴室内と外の気温差によっておこるヒートショックを防ぐことにもつながるので、高齢の方と住んでいる場合も安心。
ヒートショックにより無くなる人は、交通事故で無くなる人の3倍いると言われているので、対策できている家は安心ですね。
ハウスメーカーとしてのヤマダ・エスバイエルホーム
長い歴史を誇るヤマダ・エスバイエルホームの最も得意としているのが注文住宅です。
ヤマダ・エスバイエルホームでは、最高級の「邸宅シリーズ」、ライフスタイルに合わせて自由設計が可能な「注文住宅シリーズ」の大きく二つに分かれています。
それぞれの商品ラインナップを簡単に紹介しておきましょう。
邸宅シリーズ
- 小堀の住まい
- MINCA.
- SIMPLE&MODERN
- ASTAIR
注文住宅シリーズ
<2階建>
- New Authent
- SMART ECO STYLE ZERO
- [es.]
- E-CHERIE
- 多世帯住宅
- SPシリーズ
<平屋>
- 平屋の住まい
<3階建>
- yutoRino
- Villenzz
合計13もの商品を展開しており、それぞれ設備や構成が違い、特徴も変わっていきます。
ここでは特に人気の高い邸宅シリーズの特徴について解説していきます。
理想のオンリーワン「小堀の住まい」
小堀の住まいは邸宅シリーズの中で最も人気の高い住宅です。
昭和26年から続く歴史の中で培われたデザイン力を余すことなく注ぎ込まれた住宅であり、専門の企業建築家によって設計。
耐震性に関しても、阪神淡路大震災でも全壊や半壊の被害がほとんどないなど、その高い耐震性は評価されています。
また、ヤマダ・エスバイエルホームでは壁内換気システムを採用。
通常、住宅というのは高気密高断熱が一般的ですが、高気密高断熱にすればするほど、壁の内側には結露が発生しやすくなりカビなどが発生し、家全体の寿命が短くなってしまいます。
それを防ぐためにも壁の中に隙間を開けることで、壁内部の湿気を外に放出。
これにより、結露を発生しにくくさせ、家の寿命を延ばすことに成功しました。
日本の美をそのままで再現をした「MINCA」
MINCAは昔から日本の住宅で使われていた「間」の空間を重視した作りの住宅。
敷地の境界や建物のうちや外などの空間に「間」を作ることで距離感を生み、家を広々と見せてくれます。
プランを見ると1階中央に渡り廊下、隣り合うように中庭を使った広々とした作りになっており、黒と白を基調としたコントラストは和と洋の雰囲気が融合した大人の空間を演出。
2階部分には中央に吹き抜けを作り、上下の空間を広く見せています。
構造はエスバイエル時代から続くHYT構法と呼ばれる新工法を採用。
通常柱と柱の間に斜めに筋かいを入れる個所に、ツーバイフォーのように枠を組んだ構造材を柱と張りの内側にはめ込んでいく工法であり、高剛性を実現しています。
シンプルかつモダンな家を作り出す「SIMPLE&MODERN」
研ぎ澄まされた建築美を目指して作られる「SIMPLE&MODERN」。
都市型住宅として作られながらも、都市の喧騒を忘れるような居住性を実現するためにデザインを限りなくシンプルに。
「外からの独立と、内への開放」をコンセプトに作られた家は、外に向かう開口部は最小限にし、内側に向かって大胆なほど空間を解放することで、独特な空間づくりとなっています。
さらに「SIMPLE&MODERN」では南側に建物が建っていて採光が望めない場合であっても、敷地の東西に配置したウッドデッキと庭に向かってリビングを開放。
この2面採光プランにより、十分な日当たりを確保することができます。
まとめ
ヤマダ・エスバイエルホームは前身であるエスバイエルの技術をそのまま使っているハウスメーカーであり、未だエスバイエル時代を知っている人からすると信頼に値するメーカーでしょう。
また、坪単価のわりにデザイン性も高いので、若い世代にも受けがいいと思います。
しかし、肝心の親会社であるヤマダ電機側が住宅のことを深く知っているかは支店や担当者によってかなりの差があるようで、その点に関してはこれからの改善次第。
さらに毎年赤字を出している業績では、「もしかしたら将来潰れるかもしれない」と消費者からの不安を抱かせているのはマイナス点でしょう。
1990年代から業績が悪化していたこともあり、他のメーカーとは一味違った特徴を生み出さない限り業績回復は難しいのではないかと考えてしまいます。
特に近年ではタマホームといったローコスト住宅を建てるメーカーが増えてきているので、ヤマダ・エスバイエルホームにとっても何かを生み出す転換期になっているのかもしれません。
エスバイエルは長い歴史を持つハウスメーカーなので、そのノウハウを活かした堅実な家づくりを今後とも続けてほしいものです。
また、ハウスメーカー選びで重要なのは、冒頭でもお伝えした通り、複数社のカタログなどの情報を集め、最低限の知識を頭にいれること。
1つのハウスメーカーだけ見ていてもわからなかったネガティブなことが、複数社の特徴や違いを知ることによって浮き彫りになります。
結果として、客観的な視点で自分の条件に合ったハウスメーカーを見つけることができるようになるので、必ず実施しましょう。
少しでも気になるハウスメーカーの情報を集め、より客観的な視点で後悔しないハウスメーカー選びを実現してくださいね。