*

マンションを売る流れ

マンションの贈与税はいくら?親子、夫婦間で使える特例や非課税枠も解説!

更新日:

promotion

もくじ

譲渡を受けたマンションの税金について

マンションを他人からもらうことはあまりないでしょうが、親から「贈与」されるケースはよく見られます。

「贈与」は多くの場合税金がかかり、相続税よりも税率が高くなることで有名です。

しかし、一定条件を満たしている間柄での贈与は、大きな控除があったり非課税になることもあります。

今回は、譲渡を受けたマンションの税金関係のお話をしていきます。

ポイントは大きく分けて以下の5つ。

  1. マンションを譲渡された時にかかる税金はいくら?
  2. マンションの評価額と、贈与税の計算の仕方
  3. 贈与税が控除される特例について
  4. 分割で贈与税は払える?
  5. 売却して資金に代えるために

それぞれ詳しく解説していくので、ぜひ参考にしてみてください。

①マンションを譲渡されたときにかかる税金はいくら?

マンションを無償で譲渡される、もしくは相場より安い金額で購入した場合、税金がかかります。

それは親族間であっても同じです。

例えば、5,000万円のマンションを無償で譲渡されると、5,000万円を譲渡されたとみなされます。

相場価格が5,000万円のマンションを2,500万円で購入した場合には、差額の2,500万円を譲渡されたとみなされることになります。

このような場合に、譲渡された金額にかかる税金を「贈与税」といいます。

また、贈与税は「譲渡した人」ではなく「譲渡された人」にかかる税金です。

上記の例であれば、マンションをもらった人、あるいは購入した人に納税義務が発生します。

ただ、贈与税には控除があり、一定条件を満たしている間柄での贈与であれば控除額が更に大きくなります。

それでは、贈与税について詳しく見ていきましょう。

そもそも贈与税って何?

贈与税とは、個人間で年間110万円以上の譲渡があった場合にかかる税金です。

金銭だけではなく、不動産や車などの財産の譲渡も110万円以上を超えると課税対象になります。

「110万円」とは基礎控除額ですので、例えば、130万円の贈与があった場合に課税対象となるのは20万円ということになります。

また、贈与税の税率や基礎控除を除いた控除額は、一般税率特例税率に分かれます。

特例税率とは、直系尊属(祖父母や父母など)から20歳以上の者(子や孫など)への贈与税に適用されます。

それ以外は一般税率ということです。それぞれの税率は以下の通りです。

<一般税率>

基礎控除後の課税価格 税率 控除額
〜200万円 10%
〜300万円 15% 10万円
〜400万円 20% 25万円
〜600万円 30% 65万円
〜1,000万円 40% 125万円
〜1,500万円 45% 175万円
〜3,000万円 50% 250万円
3,000万円〜 55% 400万円

<特例税率>

基礎控除後の課税価格 税率 控除額
〜200万円 10%
〜400万円 15% 10万円
〜600万円 20% 30万円
〜1,000万円 30% 90万円
〜1,500万円 40% 190万円
〜3,000万円 45% 265万円
〜4,500万円 50% 415万円
4,500万円〜 55% 640万円

生前贈与とは?

贈与に関連して、「生前贈与」という言葉をよく耳にするかと思います。

生前贈与は、読んで字のごとくなくなる前に、子供や孫に資産を渡すことを指します。

なぜそんなことをするのかというと、贈与税の非課税枠や控除を活用することで大きな節税メリットが得られるから。

この辺りは後ほどシミュレーション形式で詳しく解説をしていきます。

②マンションの評価額と、贈与税のシミュレーション

金銭の譲渡であれば、金額を贈与税の税率計算表に当てはめて計算すればいいので簡単です。

しかし、マンションなどの不動産は金額が明確にはわかりません。

そこで、不動産の譲渡にかかる贈与税の計算には、「評価額」を使用します。

マンションの場合、土地と建物を所有していますから、土地の評価額と建物の評価額を別々に算出することになります。

土地の評価額の算出方法

まず、土地の評価額を算出する方法は、

  • 路線価」を基準にしてする方法
  • 固定資産税評価額」に一定倍率を乗じて計算する方法

の2つがあります。

路線価が定められている地域であれば、路線価を基準にして算出するのが一般的です。

路線価は、国税庁のホームページなどで簡単に調べることができます。

参考:財産評価基準書|国税庁 財産評価基準書|国税庁

例えば、マンションの場所の路線価が30万円/1㎡で、マンションの敷地面積が1000㎡だった場合

ご自身の持分が1/50であれば、

30万円×1000×1/50=600万円

となり、マンションの土地分の評価額は600万円いうことになります。

建物の評価額の算出方法

次に建物分ですが、建物分については固定資産税の評価額がそのまま使われますので、毎年送られてくる固定資産税納税通知書などで確認することができます。

シミュレーションのため、ここでは建物の評価額を2,000万円とします。

それでは、土地の評価額が600万円、建物の評価額2,000万円、合計評価額2,600万円のマンションを贈与された場合のシミュレーションをしてみましょう。

1つは、夫から妻へ贈与された場合。もう1つは、親から子へ贈与された場合を考えてみます。

ケース①夫から妻へ2,600万円のマンションが贈与された場合

夫から妻へ贈与された場合は、直系尊属間の譲渡では無いので一般税率によって税額が計算されます。

2,600万円から基礎控除額の110万円を引くと2,490万円。

上記の表より、税率が50%、控除額が250万円となりますから、

2,490万円×50%-250万円=995万円

となり、妻は995万円の贈与税を納める必要があるということです。

ケース②親から子へ2,600万円のマンションが贈与された場合

親から子へ贈与された場合は、直系尊属の譲渡となりますから特例税率によって税額が計算されます。

まず、2,600万円から基礎控除額の110万円を引くと2,490万円。上記の表より、税率が45%、控除額が265万円となりますから、

2,490万円×45%-265万円=855.5万円

この場合、子は855.5万円の税金を納める必要があるということです。

③マンションの贈与税が非課税になることってあるの?

シミュレーション結果を見ると、親子間などの直系尊属の方が贈与税の面では優遇されているわけですが、多額の贈与税がかかることは確かです。

「夫から妻」への贈与に至っては、他人同士の贈与でも同じ金額。

長年連れ添っているのに、他人と同じというのも少しおかしいですよね。

そこでご紹介するのが、「相続時精算課税制度」「配偶者控除」です。

親子間や夫婦間であれば、贈与税が大幅に控除される可能性があります。

ただ、どちらも適応の条件があるので、それぞれ説明していきます。

相続時精算課税制度

相続時精算課税制度とは、生前に贈与された財産を相続時にまとめて課税するという制度です。

原則として、60歳以上の父母または祖父母から、20歳以上の子または孫に対し、財産を贈与された場合において選択できます。

財産を贈与された時点では、「2,500万円まで」は贈与税が発生せず、相続時に他の相続された財産と一緒に課税されるというものです。


-よく読まれている人気記事-

知らないと570万円損をする!?
一括査定サイトを利用する絶対的理由と優良33サイト徹底比較⇒


スポンサードリンク

なぜ相続時にまとめるのかというと、贈与税と相続税の税率の違いと相続税の基礎控除の額に理由があります。

贈与税であれば、子であっても2,600万円のマンションを譲渡された場合、850万円余りかかることが上記のシミュレーションでわかりましたね。

相続税の場合は、まず基礎控除額が「3,000万円+600万円×法定相続人の数」と非常に高く、税率も3,000万円以下であれば15%と、贈与税とは比べ物にならないほど低い数字なのです。

そもそも贈与税には、相続税逃れをさせない目的がありますから、贈与税は相続税に比べると高い金額になるわけです。

ただ、相続時精算課税制度を利用すると、年間110万円の基礎控除が受けられなくなってしまいます。

上記のシミュレーションを、相続時精算課税制度を利用した場合に置き換えてみましょう。

2,600万円から上限額2,500万円を引いて100万円。上記の表より、税率が10%、控除額はなしとなりますから、

100万円×10%=10万円

この場合、10万円の税金を収める必要があるということです。

相続時精算課税制度を利用しない場合と比べると、かなりの贈与税の節税になります。

しかし、一度でも相続時精算課税制度を利用すると、そこから親などが死去するまでに贈与された金額は上乗せされ、相続された財産と一緒に相続税の課税対象になります。

今後さらに贈与する財産がある場合や、相続時の財産が多い場合などは注意が必要です。

配偶者控除

配偶者控除とは、一定条件を満たした夫婦に適用される非課税措置です。

一定条件とは、婚姻期間が20年以上だということ。

これを満たしていれば、基礎控除に加えて最高2,000万円まで控除できるという特例です。

上記のシミュレーションを、20年以上連れ添った夫から妻に譲渡されたとしてみましょう。

まず、2,600万円から基礎控除の110万円を引くと2,490万円。ここからさらに控除分2,000万円を引くと490万円。

上記の表より、税率が30%、控除額が65万円となりますから、

490万円×30%-65万円=82万円

この場合、妻は82万円の税金を納める必要があるということです。

長年連れ添った夫婦は家計を共に生活していて、親子以上の関係ですから、この贈与税の額は当然といえば当然ですよね。

上記の2つの控除や110万円の基礎控除を受けるには、確定申告書を提出するのが必須です。

贈与を受けた年の確定申告は、忘れずに必ず行うようにしてください。

配偶者控除を利用する際の注意点

あまり後先を考えずに、配偶者控除を利用してしまう人がいるのですが、場合によっては損をしてしまうことがあります。

そのケースは、贈与する人の持っている財産が、相続時に利用できる基礎控除(+小規模宅地の特例)を使うことでそもそも相続税の課税対象にならない人です。

贈与の場合は、小規模宅地の特例を使うことができないので、課税額が高くなりがちです。

相続の場合は基礎控除と小規模宅地の特例を併用できるため、税金がかからないケースもあります。

また、マンションを贈与すると、受け取った側は不動産取得税や登録免許の支払いが発生する手間もあります。

相続であれば非課税で住んだものを、コストもかけて無駄な贈与税を払うようなことにならないよう気をつけてください。

④マンションの贈与税は分割で払えるのか

贈与税は、基本的に贈与を受けた翌年の2月1日から3月15日までに現金で納めることになっています。

しかし、マンションなど現金以外のものを贈与された場合には、高額な税金を納めるのが難しい場合もあるでしょう。

そのような場合のために、「延納」という方法があります。

延納とは、一定の条件をもとに5年以内に分割で納税する方法です。

延納受けるためには、下記条件全てに当てはまっている必要があります。

① 申告による納付税額が10万円を超えていること
② 金銭で一度に納めるのが難しい理由があること
③ 担保を提供すること

ただし、延納税額が100万円以下で延納期間が3年以下の場合、担保は不要です。

上記が認められれば、延納できることになりますが、延納は無償でできるわけではありません。

原則、年率6.6%の利子税がかかります。

現在は、特例として日本銀行の定める基準割引率をもとに算出された軽減税率があるので、基準割引率の変動を加味して、年率4%前後の利子税がかかるということです。

⑤贈与されたマンションを売却する際の注意点

マンションを贈与された人の中には、自宅を保有している人もいるでしょう。

また、贈与されたマンションが遠方にあるため、居住中の賃貸に住み続けるケースもあるかもしれません。

贈与されたマンションをそのまま保有することも、賃貸に出す選択肢もありますが、維持費がかかるので売却したいと考える人もいるでしょう。

贈与されたマンションを売却する際に、注意して欲しいポイントが「贈与されてから売却するまでの期間」です。

贈与されてから5年以内に売却すると、利益分に39%の税金がかかる

マンションに限らず、不動産を売却する際には「譲渡所得にかかる税」を支払う必要があります。

「譲渡所得にかかる税」とは、売却した不動産で得た利益に対してかかる税金です。

利益分を計算する式は以下の通り。

収入金額 - (取得費 + 譲渡費用) - 特別控除額 = 課税譲渡所得金額

引用:No.1440 譲渡所得(土地や建物を譲渡したとき)|国税庁

それぞれの項目の詳しい解説はしませんが、売却した金額が購入時の金額を上回った分から、さらに控除を引いて残った金額に税金がかかります。

この譲渡所得にかかる税は、保有期間によって税率が異なり、

  • 保有期間5年未満:短期譲渡所得で39%(所得税30%+住民税9%)
  • 保有期間5年超:長期譲渡所得で20%(所得税15%+住民税5%)

となっています。

つまり、贈与を受けてから5年を超えてから売るのと、5年以内に売るのでは税率が倍ほど変わってくるということ。

あくまで利益に対してかかる税率ではありますが、事前に計算をした上で、負担額の違いを把握しておくことをおすすめします。

配偶者控除を受けた場合は贈与された翌年の3月15日に居住している必要がある

たとえば、2019年4月に夫からマンションを贈与されたとしましょう。

配偶者控除の適用を受けたとすると、下記の条件に気をつけなければいけません。

贈与を受けた年の翌年3月15日までに、贈与により取得した国内の居住用不動産又は贈与を受けた金銭で取得した 居住用不動産に、贈与を受けた者が現実に住んでおり、その後も引き続き住む見込みであること

No.4452 夫婦の間で居住用の不動産を贈与したときの配偶者控除|国税庁

マンションを贈与された妻は、翌年2020年の3月15日までに、贈与されたマンションに住んでいる必要があり、引き続き住み続けていることも求められます。

つまり、贈与されたマンションをすぐに売ってしまうと、配偶者控除の適用条件に反するわけです。

マンション売却時には、かならず法務局で登記簿情報の移転作業が行われますから、そのタイミングで売却した情報は知れてしまいます。

配偶者控除の適用条件を受けた上で売却を検討している場合は、事前に国税庁に問い合わせ相談をしておくとベストでしょう。

⑥マンションを贈与された場合は早めに不動産会社に査定を依頼しよう

不動産の見積もり

マンションを贈与された場合には、様々な控除があるとはいえ、高額な贈与税がかかることがわかったと思います。

税金は分割で払ったとしても5年以内に払い終えなければならず、年率も高い水準のものです。

現金ではなく、納税が厳しいマンションを贈与された場合、ご自身が住まないのであれば早めに資金化するのが堅実だといえるでしょう。

参考→マンション売るか住むか迷ったらどっち?!今売却するべき3つの理由

マンションを贈与してもらうことが決まったら、まずは不動産会社に査定の依頼をしてみましょう。

評価額はあくまで評価額。

路線価などは、市場価格の80%の目安で作られているといわれています。

早期売却すれば、売却価格は評価額より高額になると考えられます。

査定依頼をする際には、複数社に声を掛けるようにすることで少しでも高額な売却が見込めます。

査定額は、不動産会社によって数百万円の差が生じることも稀ではありません。

複数社に査定依頼するには、一括査定サイトを利用するのが非常に便利です。

業界最大手と言われるhome4uであれば、簡単な入力で一度に6社まで査定依頼が可能です。

マンションを贈与されたら、贈与税は一括で支払うのが一番節税になるともいえます。

一括査定サイトを活用してスムーズに売却活動を開始し、納税の時期までの売却を目指しましょう。

不動産一括査定サイトHOME4Uの公式サイトはこちら⇒

⑦親から贈与してもらったお金でマンション(住宅)を購入する際に使える「直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税」制度

これまで、親や夫婦間でマンションを贈与する事例について話をしてきました。

最後に、マンションを購入する際の資金を親から贈与してもらう際に使える「直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税」制度について話をしておきましょう。

直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税とは?

「直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税」制度とは、直系尊属(自分の父母、祖父母)から居住用の住宅購入に充てるお金を贈与された際に節税できる制度です。

  • 適応される消費税の金額
  • 省エネ等住宅かそれ以外か
  • 新築の契約の締結日

の3つのポイントによって、非課税枠が変わってきます。

詳しい解説は、 No.4508 直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税|国税庁を参考にしていただきたいのですが、2019年内に不動産を購入する前提であれば、

  • 省エネ住宅等=1200万円・省エネ住宅等以外=700万円(消費税8%適応)
  • 省エネ住宅等=3000万円・省エネ住宅等以外=2500万円(消費税10%適用)

贈与税の非課税枠を受けられます。

マンション購入時に親や祖父母の援助を受ける場合は、ぜひ活用してみてください。

マンションの贈与税まとめ

贈与税は、相続税に比べて高い税率がかけられ、基礎控除の金額も少ないものです。

親から子、夫から妻への贈与には、制度や控除を利用して税金を低く抑えることもできますが、それでも高額な贈与税。

そして、贈与税の納税は延納できるとはいえ、一括納税が一番損をしない納税方法なのは間違いありません。

現金ではないマンションなどを贈与された場合、高額な贈与税の支払いのためにも早急に資金化するのが堅実だといえます。

贈与される見通しがある段階で早めに不動産会社に相談することをおすすめします。

納税時期は、贈与された翌年の3月15日まで。この時期までに資金化できるよう、早めの対策を打っておかれるといいでしょう。



HOME4U 一括査定


-マンションを売る流れ

Copyright© , 2024 AllRights Reserved.